突撃突撃(とつげき)

★突撃は、普通科(歩兵)攻撃における戦闘の成否を決する重要な段階である。
簡単に言えば、匍匐前進等により敵陣深く歩み寄り、そうして全隊員一丸となって、一気に敵兵に殴り込みをかけることを突撃という。
通常は、突撃発起地点(小隊長、班長等に示された、突撃動作を開始する位置)まで各個に前進し、小銃に着剣(銃剣)してその場で待機。
その間、当然に後方からは、友軍の放った砲弾が頭上を越えて眼前の敵陣に降り注いでいる。
そして無線手を通じて、友軍の「最終弾落下○○秒前!」という連絡が来る。
そこで、上官の「第○○小隊/班、突撃にぃ!前へーっ!!」の号令により、突撃を開始するのである。
突撃にあたっては、奇声を発しながら突撃射撃(連射)を行い、敵陣向かって駆け足で殺到する。
奇声を発したり、突撃射撃を行うのは、敵に恐怖感を与え、その士気を低下させるためである。
敵陣に突っ込んだならば、敵を射殺するか、必要に応じ銃剣にて刺殺する。
また敵兵を銃床(小銃の肩当部分)で撲殺したり、場合によっては徒手格闘になる。
注意しなければならないのは、通常、敵陣や敵塹壕は後方に何重にも張り巡らされていることが多い。
そこで、敵陣に突入した後、その後方の敵よりの攻撃に留意しなければならない。
敵陣を占領し、敵兵を殲滅させることによって作戦は完了する。
実際問題として、このような切迫した状況下では、敵兵に対する人道的な対応は不可能であろう。
尚、現在の突撃では、戦車と同時に突撃したり、戦車に先導されて突撃する場合がある。
これは、戦車の戦闘力や火力によって敵陣突入及び占領を容易にし、味方普通科隊員(歩兵)の損耗を軽減させるためである。
その際には、普通科隊員(歩兵)は、敵兵の対戦車火器(対戦車砲)や対戦車接近戦闘行動に留意する。
昔は、突撃に際しては、ラッパ手が突撃ラッパを吹いた。
「パパパパパパパーパパパパパパパー!(出てくる敵は、皆、皆、倒せー!)」
しかしながら、日露戦争の初期ぐらいからそれは行われなくなった。
敵兵に、こちら側の動きを教えるようなものだからである。
諸外国の陸軍でも、ラッパ譜として「突撃ラッパ」があっても、実際の戦闘(突撃)で突撃ラッパを吹く所はないだろう。
尚、戦闘が終了した後は、衛生科隊員(衛生兵)による負傷者の救護や護送、あるいは戦死者の収容作業が行われる。
米軍などでは、遺体収容袋が部隊に完備されているが、自衛隊では恐らく現場で荼毘に付すのであろうか・・・。

※参考資料:陸自教範/各個の戦闘訓練


有刺鉄線

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