前期教育

陸上自衛隊第二教育団第109教育大隊第315共通教育中隊第４区隊第1営内班
★長ったらしい名称だが、これが私が入隊してまず最初に配属された部署である。
部署というよりも、ここは新入隊員に前期教育を施す教育隊なのだ。
ここで私たちは自衛官として基本的な事項を約三ヶ月間学ぶのである。
この前期教育が終了すると、新入隊員達は各職種ごとに分かれて、再度それぞれの教育部隊に異動した後、そこで約三ヶ月間の後期教育を受けるのだ。
ちなみに、各新入隊員が配属される区隊は、区隊長の名を冠した部隊名で呼称されることもある。
私の第４区隊は、区隊長が谷口２尉（２等陸尉＝階級・当時）であったので谷口区隊と呼ばれる。
この区隊の下に数個班があるのだが、私は１班（藤本班長）だったわけでる。
谷口区隊長を補佐するのは、中川２曹〔２等陸曹＝階級、昔で言えば軍曹〕）で、各班には班長１名がいた。
出身県の自衛隊地方連絡部での壮行会を終えて、大津駐屯地に到着した私たちは所属する各班ごとに分かれた。
そうして各班長の案内で駐屯地内の諸施設、特にこれから居住する営内班（部屋）や食堂、共同浴場、PX（隊内売店）などを案内してもらった。
その後は、会議室のような所に集められた。
そこには、洗面器や石鹸、シャンプーなどの生活必需品が置かれており、各自必要なものを取れということだった。
入隊の記念に無料でもらえるのかなと思っていたが、後で給与から代金が差っ引ぴかれていた（笑）
夕食と入浴を終えた私たちは、営内班の一室で班長からベッドメーキングを教えてもらった後、２１時には就寝させられた。
故郷を後にした郷愁感やホームシックにひたる余裕もなく、次の日から目まぐるしく諸行事や訓練が開始された・・・。