砲兵の歌

訓練開始訓練開始

★いよいよ私達新入隊員の前期教育課程の訓練が始まった。
先ず最初に習うのは敬礼などの自衛隊独特の所作である。
敬礼にも色々な種類がある。
帽子を被っている時の挙手の敬礼、帽子を被っていない時の敬礼、隊員相互間の敬礼、国旗や天皇陛下に対する敬礼、小銃を持っている時の敬礼、その小銃の持ち方によって異なる敬礼・・・などである。
帽子を被っているときの挙手の敬礼は、誰でも知ってる右腕を水平に上げ、肘を45度に曲げ、五指を伸ばして右目付近にかざすものである。
帽子を被っていない時は、腰を後方にぺこっと引き頭を下げる会釈である。
ただし、天皇陛下や皇族方に対しては45度まで腰を曲げるのである。
銃を持った敬礼で独特なのは、小銃の中央部付近を右手で握り、小銃の銃床(小銃の下部)に左手を添えて、自分の体の前に捧げ持つ「捧げ銃(つつ)」という敬礼もある。
これらの敬礼は、上官などに遭遇した時に自発的に行うものと、号令者の号令に合わせて行う時がある。
この号令者が曲者だ。
すぐに慣れるが、当初は何を叫んで号令しているのか聞き取れない時がある。
「気をつけっ!」・・・・「つけっいっ!」と聞こえる。
「頭(かしら)ぁ右っ!」・・・・「しらーっみぎょーいっ!」と聞こえる。
「頭ぁ左っ!」・・・・「しらーだぁーり!」と聞こえる。
敬礼の他に習うのは、「前へならえ!」とか「右向け右!」「休め!」など高校の体育の時間にも習ったやつだ。
他に行進しているときや、駆け足をしているときの号音歩調というのがある。
号令者の掛け声に合わせて、被号音者が声を出すものだ。
(歩調)「」は号音者、『』は被号音者=隊員
「歩調数えっ!」
『1,2,3,4! 1,2,3,4!』
(連続歩調)
「連続歩調!歩調!歩調!歩調!数えっ!」
『1!』「そぅれっ!」『2!』「そぅれっ!」『3!』「そぅれっ!」『4!』「そぅれっ!」
『1!2!3!4! 1234! 1234! フレーッフレーッ!谷口!フレーッフレーッ!谷口!』
※「谷口」とは所属する区隊名である。
これらの訓練の合間には、精神教育といって、国防に関する講義等が行われるのだ。
また、訓練だけではなく、時にはソフトボールに興じたりもした。


行軍中の新隊員達
(饗庭野演習場で行軍中の新隊員達)

※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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