兵隊さんよありがとう

入隊式入隊式

★入隊後数週間もすると、私達新入隊員も敬礼も様になって自衛官らしくはなってきた。
次に待っているのは、自衛官としての宣誓と入隊式である。
"危険をも顧みず・・・云々"という宣誓書にサインをしたときには、「ああ、これで何かあったら戦争に行かなければならないんだなぁ・・・」と覚悟を決めたものだ。
そうして、家族を招待しての入隊式が行われるのだ。
このとき初めて、第109教育大隊長の○○2等陸佐の顔を見た(名前は忘れた!)。
噂では、前任地の自衛隊教育機関での水泳訓練中に、何名かの事故死者を出したつわものらしい。
「そんな物騒なおっさん司令官にするなよ!」というのが、私たちのそのときの感想だった。
入隊式では、「中隊マザー」なるおばちゃんも紹介された。
新入隊員を様々な面でサポートする自衛隊協力会の婦人らしいが、世話をしてもらった記憶はない。
入隊式が終わった数日後、私達新入隊員は精神教育の一環とかで、大津駐屯地の近くにある近江神宮という神社に連れて行かれた。
そこの宮司さんは超有名な人とかで、私達新入隊員のために講話をしてくれた。
長い話の内容は忘れてしまったが、要点は覚えている。
①世界の貴いものにはすべてM(エム)の字がついている。
すなわち、キリスト教のマリア様のM、イスラムのマホメットのM、お釈迦様のお母さんのマーヤー夫人のM、そしてお宮のMである。
②「君らは天皇陛下に憧れて入隊したのだから、どうかお国のために滅私奉公してください!」
・・・という内容だった。
いずれにせよ、無事に宣誓も入隊式も終えた私達新入隊員は、本格的に自衛官の道を歩むことになった。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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