軍歌「男なら(特攻隊節)」

実弾射撃実弾射撃

★初めて手にした小銃はずしり重く感じた。
この64式7.62ミリ小銃は、切り替えにより、単発のみならず、連発もできる自動小銃である。
まず私たちは手始めに空砲を一発ずつ撃たせてもらった。
「パーーーンッ!」
乾いた鋭い銃声が木霊する。
耳の奥が「キーーンッ!」となる。
実弾はもっと大きな銃声だという。
自衛隊で挨拶や号令などで大きな声を出し、集団生活をさせるのには実は意味がある。
戦場に行くと大砲や戦車の音、それにこの耳をつんざく銃声などで小さい声では、互いに意思の疎通が図れないのである。
そこで普段から大きな声を出し、そして集団生活をしていれば互いの表情や口元の動きなどで意思の疎通が図れるようになるという理由である。
さて、実弾射撃訓練に入る前には、何度も射撃予習という訓練を行う。
数メートル先に立てられた標的に向かって、小銃の照準を合わせ、引き金を引く訓練である。
こうした射撃予習訓練を経て、いよいよ実弾射撃に入るのだ。
やはり実弾射撃場には一種異様な緊張感が漂っている。
射撃は伏撃(寝転んだ状態)と膝撃(座って立膝)の二つの姿勢で行う。
尚、実弾射撃をする時には、ティッシュを丸めて耳の孔へ入れて耳栓をする。
「バーーーーーーンッ!」
小銃にくっつけた右頬と右肩に衝撃が走る。
そうして辺りに火薬の匂いが立ち込める。
実弾を発射した後の小銃は、煤(すす)や火薬の粉のような物で非常に汚れる。
そこで、実弾射撃をした後は、小銃の分解整備は必須なのである。
通常、前期教育で扱える小火器は、この小銃のみである。
後期教育隊や一般部隊に配属されると、この小銃の他に機関銃や重機関銃、短銃や短機関銃などが撃てる。
もちろん、特科部隊(大砲)や戦車隊などに配属されれば、それらの重火器の射撃を体験できる。


伏撃
(伏撃の射撃姿勢)

※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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