楽しい営内生活

★課業時間内の訓練は厳しかったが、１７００（ヒトナナマルマル）、課業が終了すると自由に過ごすことができる。
まだまだ自衛官になったという自覚よりも、修学旅行に来ているようなのりだ。
残念ながら、前期教育期間中の私たち新入隊員は、飲酒が許可されていない。
どこの自衛隊駐屯地にも隊内クラブという酒場がある。
特に大津駐屯地は琵琶湖の辺（ほとり）に位置し、その隊内クラブも湖畔に立てられており絶景のロケーションである。
新入隊員の私たちは、いつもその隊内クラブのネオンを羨ましく眺めていたものだ。
そこで、私の課業後の楽しみは、友人となった吉岡２士（２等陸士（階級・当時）と隊内の喫茶店でクリームパフェを食べることだった。
散髪の項でも述べたが、自衛隊の駐屯地内には色々な業者（店）が入っている。
PX（防衛庁共済組合直営売店）や散髪屋、それに上述の隊内クラブ（酒場）。
その他には、書店や貸本屋、雑貨屋、喫茶店、飯屋、映画館など。
また大きな駐屯地内には郵便局もあるし、金融機関（防衛庁共済組合）もある。
先述の如く大津駐屯地は、風光明媚な地にあり、湖畔を散策したり、隊内の売店巡りをするだけで時間が潰せた。
さらには、自衛隊の部隊が駐屯する地域の映画館やストリップショーなどでは自衛隊割引という特典まであった。
新入隊員の間で最も人気があったのが、貸本屋のエロ漫画であった。
ビデオやヘアー写真集などが氾濫する今から考えると他愛のないものではあるが、そのような漫画で暇を潰していたのである。
ただし、ページの所々が破って切り取られていたのが特色であった。
もちろん自衛隊当局が検閲したのではない。
血気盛んな新入隊員たちのお守りとなったのだ（笑）