軍歌「大東亜戦争海軍の歌」

催涙弾訓練催涙弾訓練

★夜の点呼の折には、班長が次の日の訓練について予告をすることがある。
その日の夜の伝達事項では、明朝の訓練時に各自洗面器とタオルを用意して集合とのことであった。
駐屯地近くの雄琴温泉へでも、慰労に連れて行ってくれるのかなと甘い考えをしたが、それはやはり甘い考えだった(笑)
朝、集合すると当日の訓練について説明があった。
何と、催涙弾ガス体験訓練であった!
催涙弾を浴びると、目が潰れるように痛み、お肌がヒリヒリ、咳が止まらず、鼻水タラタラ状態になるらしい。
そのために、隊員たちに洗面器とタオルを用意させたのだ。
一度に多くの隊員が洗面所に駆け込んではパニックになるので、洗面器で琵琶湖の水を汲んで顔を洗えということらしい。
訓練地の駐屯地内琵琶湖付近へ行くと、テントが数個建てられており、隊員数名一組となってテントの中に入るのだ。
まさか、隊員たちの間に催涙弾を打ち込むわけにはいかないので、テントの中に催涙ガスを充満させてあるらしい。
訓練が始まる。
テントの中から、先に入った隊員達の阿鼻叫喚の悲鳴が木霊(こだま)する。
私たちの番だ!
恐る恐るテントの中に入る・・・。
「うっくっ!」
目が潰れるように痛くなり、お肌がヒリヒリ、咳が止まらず、鼻水タラタラ状態に陥った!
だが、それよりも驚いたことがあった。
テントの中には上官が一人いたのであるが、なんとガスマスクもつけずに、しかもタバコを吸っているのである。
「どや? 苦しいか!? ふふふふふふ!!!!!」
いやらしく笑う男。
「おっさん、あんた本当に人間か!?」
その日の午後は、訓練は無しで、ソフトボール大会となった。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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