軍歌「討匪行」

戦闘訓練戦闘訓練

★小銃が授与されて始まる訓練には、執銃訓練(小銃を保持しての敬礼動作等)の他に、戦闘訓練というものがある。
この戦闘訓練というのは、敵陣めがけて徐々に体勢を低くして近づき、最後は突撃を行うものだ。
もっとも、前期教育で習う戦闘訓練はあくまでも基本であり、後述する後期教育におけるものと比べると楽なものだ。
昔から軍の主兵は歩兵といわれており、その歩兵の突撃攻撃の成否こそ戦況を決定付ける重要なものだ。
普段は通常の作業服で演練するが、検閲などの本番ともなると、迷彩服を着用して、身体と鉄兜に偽装網を装着し、そして木の枝や草などを身体につける。
もちろん、顔もドーラン等で「化粧」をして、敵に発見されないように偽装するのだ。
大津駐屯地近くに戦闘訓練場があり、そこでの訓練となる。
戦闘訓練場には、所々に堆土(たいど)という人が一人隠れることができるぐらいの小山が転々と作ってある。
その堆土から堆土へ、駆け足で、または匍匐前進で徐々に敵陣へ向け近づいてゆくのだ。
近づくだけではなく、その間、堆土の陰から戦友達の前進を援護する援護射撃を実施する。
そうして、突撃発起地点まで前進したら、小銃に着剣をし、指揮官の「突撃にぃ! 前へっ!」の号令でむくっと立ち上がり、敵陣へ向け連発による一斉射撃。
そして、奇声を発しながら敵陣へ突っ込んで行き、銃剣攻撃を行うのだ。
敵陣に突っ込んだ後は、またその場で伏せる。
敵陣が二重三重に張り巡らせてある場合があり、後方の敵陣から攻撃される恐れがあるからだ。
通常の戦闘訓練では、ここで終了である。
尚、普通科(歩兵)の一般部隊では戦闘射撃訓練というのもある。
文字通り、戦闘訓練と射撃訓練をミックスしたものだ。

(雑記)
一般部隊に配属されてから知り合った守屋3軍(3等陸曹=階級・当時)は、酒に酔ってはよくこんな歌を謳っていた。
♪匍匐前進あの娘が見てるー!きゅきゅきゅ、きゅっきゅきゅ!
草は付けても公務員ー!ズンガチャチャ、ズンガチャチャ♪


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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