水師営の会見

饗庭野演習場饗庭野演習場(前期教育終了検閲)

★親入隊員の前期教育課程終了の検閲を兼ねた演習が、滋賀県北部の今津駐屯地に近い饗庭野(あいばの)演習場で行われることになった。
この饗庭野演習場へは一般部隊に配属されてからも、東富士演習場と同じく頻繁に訪れることになる場所だ。
トラックに揺られながら、演習場への途中に見える雄琴のソープランド街に歓声をあげながら前期教育隊は進む。
饗庭野演習場の隊舎に到着後、各自荷物を紐解いた後は、早速、行軍が始まる。
この演習場では、この行軍の他に戦闘訓練や歩哨(ほしょう)訓練、夜間訓練などが行われる。
歩哨(外哨)とは警戒勤務、即ち「見張り」のことである。
その場(哨所)で警戒任務に就くことを歩哨といい、移動しながら警戒任務に就くことを動哨という。
動哨に似たものに斥候(せっこう)というものがあるが、これは偵察任務のことである。
歩哨には一般守則が与えられている。
その中に、「近づく者には銃を構えて確かめ、彼我不明のときは誰何(すいか)する。3度誰何しても答えない者は、捕獲するか刺・射殺する。(昭和51年11月 陸自教範21-2 歩哨・外哨及び斥候/第1章2後段)」)とある。
「誰何」とは、「誰か!?」と、彼我不明の相手に対して問いかけを発することである。
3度相手に問いかけを発して、その相手が何も応えないときには、捕まえてもいいし、刺し殺してもいいし、撃ち殺してもいいということである。
さすがは自衛隊、武力集団である。
この夜間歩哨訓練では、隊員が2名一組となって陣地にて警戒勤務を行い、敵兵に扮した班長が警戒線突破を図るというものだ。
そして、やはメインは戦闘訓練である。
大津駐屯地の戦闘訓練場よりも遥かに広い饗庭野演習場の戦闘訓練場にて、戦闘訓練の検閲を受けるのである。
昨夜来の雨で、所々に水溜りのできた訓練場ではあったが、そんなことはお構いなしに伏せたり、匍匐前進を繰り返して敵陣に迫る。
そして、最後の突撃である。
突撃後は、その場で再度伏せる。
苦しかったけど、これで前期教育課程が終了したんだなぁという感慨にひたる・・・
饗庭野演習場から大津駐屯地への帰路、またもや雄琴のソープランド街が見え、またもや歓声をあげる新隊員であった。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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