Hohenfriedberger Marsch

後期教育隊後期教育隊

★新入隊員前期教育課程では、新任自衛官として、各職種(兵科)に共通した自衛官としての基礎知識や所作、そして教練などを習う。
そうして後期教育隊では、各職種ごとに分かれて、その職種に必要な基礎教練を受けるのだ。
例えば、輸送科職種ならば車の運転技能であったり、整備技術などを習うだろう。
衛生科職種ならば、防疫や看護に関する基礎知識なり、怪我の応急処置などを習うのである。
それでは、私が配属された普通科職種(歩兵)では何を習うのであろうか?
実は何も習わない(笑)
・・・と言っては言い過ぎかもしれないが、普通科職種では、何よりも体力であり、そして走ることである。
「戦場で走れなくなったら死あるのみ!」とう言葉がある。
まして「軍の主兵」「最後の決は我が任務」の歩兵(普通科職種)である。
技能云々よりも、体力勝負、そしてとにかく走ることである。
そして、そのような職種の普通科(歩兵)だから、施設科(工兵)と並んで、自衛隊では乱暴狼藉者や大酒呑みも多い(笑)
また、他の職種に比べパープリンも多い(注)
しかしながら、わずか後期教育隊での三ヶ月間の連隊所属とはいえ、私はこの普通科(歩兵)職種であったことを誇りに思っている。
何と言っても陸上自衛隊の花であるからだ。
ところで、私は高校時代は柔道部に属していたこともあって体が大きい。
だから、走るのは苦手であった。
走るのが苦手である者が、普通科連隊に所属する。
これほど悲惨なものはないだろう。
まさに後期教育隊での三ヶ月間は、地獄の日々であった。
当時の私の写真を見ると、まるで別人かのように痩せている。
今でも、我ながらよく耐えれたものだと感心する。
もう一度やれと言われても、とても出来るものではないが、あの苦しさがあったからこそ今の自分があると思う。
そして、その苦しさに耐えられたのは、何よりも僚友たちや班長の励ましであった。

若者よ!

体を鍛えておけ!

美しい心が逞しい体に宿って

ささえられる日が必ず来る

その日のために

体を鍛えておけ!

若者よ!


(注)パープリン=小林よしのりの漫画で有名になった言葉で、頭が悪い奴のこと。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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