橘中佐

伊勢神宮参拝伊勢神宮参拝

★後期教育終了間近になって、教育隊全員で記念の小旅行が実施された。
行き先は伊勢神宮であるという。
いつものトラックの荷台ではなくて、バスを借りきっての移動である。
バスのフロントガラス上方には、「7新会様御一行」と書いた紙が貼ってある。
どこかの組のような名称だが、「7連隊の新入隊員」の略である。
伊勢神宮に参拝するところがいかにも自衛隊だが、当然に信仰上の理由で参拝できない者は参拝しなくても良いとの配慮付きだ。
確かに自衛隊に入隊してくる者すべてが、右寄りの連中ではない。
「ただ何となく」「地連(自衛隊地方連絡部)のおやじに騙されて」「免許が取りたくて」等、入隊動機は様々だろう。
さて、この伊勢神宮参拝で事件が起こった(事件というほどのものでもないが)。
私と萩原班長、それに大澤や照(てらす)などの有志が一塊となって伊勢神宮の内宮本殿に歩み出たときだ。
私や大澤が照に「やれっ!」とあることをそそのかした。
・・・と言うよりも、照本人もやる気満々であったのだ。
静寂が辺りを包む本殿前に、照2士(2等陸士=階級、当時)の大音声が響き渡った!
「天皇陛下バンザイッ!!!!!!!」
それに合わせて、私達も万歳三唱を行った。
これが有名な(有名でもない内輪話だが・・・)万歳事件である(笑)
一般部隊配属後の私や大澤は、先任准尉(准尉=階級、当時/先任とは部隊や組織・部署の最古参者等を言う)から、その事件を持ち出され、そしてその件につき査問された。
当時は三島事件からそんなに年数も経っていなかったので、自衛隊としてはナーバスになっていたのだろう。
夜は旅館での宴会である。
血気盛んな若者達である。
しかも只でさえ大酒のみが揃う陸上自衛隊の普通科である。
たいへんな騒ぎであったが、とても楽しかった!
その後は、皆で近所のストリップ小屋に繰り出すというオマケ付きであった。
でも登場してきたのは、おばさんであった(笑)
しかも昔懐かしの額縁ショー(注)であった(爆)


(注)額縁ショー=現在のストリップショーのように踊ることはなく、いわゆる人体を使った静止画である。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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