艦爆隊,雷撃隊,偵察隊の歌

特別勤務特別勤務

★一般部隊に配属されると、月に何回か特別勤務というものが交代で回ってくる。
一般的な特別勤務とは、当直及び警衛、そして不寝番をいう。
当直勤務とは、主に課業時間外(1700以降)や日曜祝祭日における隊員や部隊の管理・警戒・連絡業務を行い、当直幹部、当直陸曹、当直陸士の3名からなる。
駐屯地の各部隊にそれぞれ当直がおり、司令部には当直幕僚もおかれていた。
勤務は月曜から水曜日と木曜日から日曜日までの週2交代制で、月曜と木曜の朝に交代が行われる。
この当直勤務の間は、営外(駐屯地外)に居住する隊員も、営内所定の場所(当直室)で寝起きすることになり、勤務の間はそれぞれ左腕に当直腕章を付ける。
当直幹部は、夜間、巡察と呼ばれる駐屯地内の見回りを行う。
警衛勤務とは、駐屯地の警備業務で、主に営門などの各種出入口や外柵、及び弾薬庫などを警戒警備する。
24時間勤務であり、毎日、0930頃に交代する。
警衛司令と営舎係、それに陸曹や陸士からなる数名の歩哨(動哨)で構成される。
警衛勤務者は、1直2直3直の3交代制で、それぞれ警備・控え・休憩を実施する。
不寝番は、22時の消灯以降に単独で、あるいは交代で消灯後の営内の警備、特に火の始末(タバコの吸殻など)に留意する。
また、朝は起床ラッパと共に営内に向けて「起床!」と叫ぶことになっている。
消灯以降に、定められた枚数の煙缶(えんかん=灰皿)が、煙缶置き場に戻っているかを確認するのが重要な任務であるが、実際は私物煙缶を所持している隊員もいるので、完全な火の用心とはなっていない。
さて、警衛勤務であるが、1700の課業終了以降は、門で立哨(立ち番)していた隊員は、駐屯地の外柵沿いに、歩いて警戒する動哨勤務に入る。
そして、その外柵沿いの各要所要所に設置してある有線電話で、警衛所の警衛司令や営舎係に異常の有無を連絡する。
「表(おもて)! ○○番、異常なし!」という具合にである。
ところが、深夜未明近くともなると、警衛司令や営舎係も居眠りをしているのか、なかなか電話に出ないときがある。
そういう時は、大声で何事が事件があったかのごとく「表!表!表!」と叫んでやる。
すると警衛司令や営舎係はビックリして、「どないした?何かあったんか!?」と、飛び起きるのだ。
そこで、落ち着いて「服務中異常なし♪」と答えるのである。
警衛勤務や当直勤務の楽しみは、外出者や近所に住む営外者が、寿司などの差し入れをしてくれることだった。
また、巡察に見つからないように注意しながら、外柵から外へ手を出して、屋台の夜鳴きラーメンを買うことであった。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

PREVIEWホームNEXT


All Rights Reserved,Copy Right(C)Y.B/OfficeLEIBSTANDARTE,2003