旧ドイツ軍栄誉礼及び観閲行進(閲兵式)

指揮所演習指揮所演習

★私は戦闘職である普通科隊員ではあったが、配属先が師団司令部であったので、連隊が構成する戦闘団での演習には参加はしない。
演習では、もっぱら演習支援に赴いたりが大半であったが、司令部各部署が主体となる演習も少なくなかった。
その一つが指揮所演習である。
指揮所演習とは、実働部隊の運用を伴わない、机上演習のようなものだ。
大半は、演習場に設営された自分の所属部署である総務課陣地内にて、隅っこで作戦図を眺めていた。
時折、陣地変換で天幕の設営作業や偽装工事をすることもあるが、殆ど待機状態が多い退屈なものだった。
司令部には、幕僚庶務室、第1部(広報)、第2部(情報)、第3部(作戦)、第4部(補給)、総務課、会計課などの部署がある。
そして、師団長、副師団長、幕僚長、1部長、2部長、3部長、4部長、総務課長、会計課長などを始め、その他の幹部や部課員が勤務するのだ。
恒常業務では、直接には戦闘には関係の無い業務もこなしてはいるが、戦闘状態に入ると師団長の命令の元、各戦闘団を運用すべく、各部課固有の職務を遂行するのである。
私の所属した総務課は、文書管理作成や人事業務、および師団司令部の総務的な業務が主たるものである。
その業務の一つに、実戦における戦病死者の管理がある。
実際の作戦行動においては、当然に戦病死者が発生する。
その師団遺体管理所なるものを掌握するのも総務課の管理らしかった。
そこで、指揮所演習中には、よく班長が冗談で、私に遺体管理係と火葬の火の番をしろと言われたものだ(笑)
演習だから笑い話ですむが、実際にやるとなると考え物である・・・。


※文中に登場する個人名、団体名、組織名等は一部架空及び仮名であり実在のものと異なります。

有刺鉄線

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